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速読で子供の地頭は良くなるか

子供の地頭を良くしたい、読解力を向上させたい、お受験対策としても良さそうといった理由で「子供に速読を習わせたい」と考える人が増えているそうです。

 

そもそも読書で学力は上がるのか。

子供の読書に速読は必要なのか。

速読を習う場合、具体的にどのようなトレーニングをするのか……

 

保護者が気になる速読のあれこれを調べてみました。

 

学力と読書の関係についての調査からわかったこと

読書をする子は成績が良い。なんとなくそう感じて、子供に読書をさせているという人は多いと思います。本を読めば新しい知識に触れることができますし、感性が豊かになるといったメリットがあります。しかし、本当に読書と成績に相関関係はあるのでしょうか。

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本好きな子は学力も高い傾向がある

静岡大学が小中学生を対象に行った調査(平成21年度・文部科学省委託調査研究)によると、重要なのは「読書好きであるかどうか」。読書好きな子供は、すべての教科の学力と強い相関関係がありました。

 

読書時間も教科の学力とは関係していましたが、長時間の読書は必ずしも学力の高さには結びついていませんでした。教科の学力が高い層ほど、小学校では 10分以上2時間未満、中学校では10分以上1時間未満の読書を行う児童生徒の割合が多い、という結果でした。

 

親は、長い時間でなくても良いので、子供が自ら進んで読書をしたくなるようにサポートするのが正解のようです。

 

子供に速読は必要?弊害はないの?

「読書が子供にとって大事なのは間違いないけれど、感性を豊かにする、文章を楽しむといった目的であれば、じっくり本を読んだほうが良さそう……」と思う人もいるのではないでしょうか?

 

 

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早く読むだけでなく、じっくり読む読書もさせたい

 

文化庁の調査によると、「読書をすることの良いところは何だと思うか」という回答でもっとも多かったのは「新しい知識や情報を得られること」で61.6%。次いで「感性が豊かになること」で40.4%。3位は「豊かな言葉や表現を学べること」で38.6%でした。

 

1位の「知識や情報を得る」という面では、速読は強力なツールといえます。メリットは数えきれませんが、弊害はないと言えるでしょう。

 

中学・高校入試の国語の問題は文字数が多く、多いところで約10,000文字と言われています。試験のときに時間が足りなくなるといったデメリットを補うためにも速読は心強い味方になってくれます。

 

2位の「感性が豊かになる」という面でも、概ね不都合はないでしょう。筆者は長年速読で本を読んでいますが、ゆっくり読む読書に比べて物足りなさを感じたことはありません。

 

しかし、息子がまだ小さい頃、速読で桃太郎を読んだ後に「これって、鬼がかわいそうじゃないの?」と言われてドキっとした経験があります。

 

様々な視点から考えられる子になるのは良いことですが、読解テストであれば、桃太郎は「痛快な勧善懲悪」という捉え方が正解。サンプル数が少ないので参考にならないかもしれませんが、小学校に上がる前に速読トレーニングをすると、親の意図しない捉え方をする可能性もありそうです。

 

3位の「豊かな言葉や表現を学ぶ」という面では、速読の弊害を感じたことがあります。小説の情景描写といった部分を読み飛ばし、季節感や街の風景などの表現を見落とすこともあります。

 

しかし、「速読を身につける」ということは「早く読む」「じっくり読む」という選択ができるようになる、ということ。情報をとるための読書は早く、表現を学びたい時にはゆっくり読むことで対応できるので問題なさそうです。

 

こういった意味でも、小学校中学年あたりからであれば、速読の弊害はないのでは? というのが筆者の感想です。

 

学習塾の参入で速読が身近に

一昔前は「速読なんて」と思う人が多数派だったと思いますが、現在ではその効用が認められ、速読を授業で取り入れている大学(西南学院大学)もあります。学習塾で速読を導入しているところも増えてきました。

 

子供向けの教育ノウハウを持つ学習塾が参入してきているというのは、親にとって朗報です。速読を専門に教えている機関でも子供向けの速読を行っているところがありますが、塾であれば子供にとっての続けやすさや学びやすさにも期待が膨らみます。

 

具体的にどんな形でトレーニングをしてくれるのか、取材しました。

 

子供向け速読ではどんなトレーニングをしているの?

ある速読スクールの、具体的なトレーニング内容を見てみましょう。

 

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様々な角度から子供の速読を徹底サポート

 

【オートトレーニング】

 

・読書速度計測

1分間に読める文字数を計測

・眼筋トレーニング

視点移動、視野拡大など眼の機能を向上させるトレーニング

・読み方トレーニング

固定読み、移動読みなど速読に必要な読み方を段階的にトレーニング

 

 

【解くトレーニング】

 

・速解力チェック

読むスピードに理解、記憶が伴っているかを確認

・全体把握力トレーニング

文章全体の流れを把握する力を養成するトレーニング

・理解力トレーニング

文章の要約、要旨を理解する力を養成するトレーニング

 

 

【能力トレーニング】

 

・速読能力チェック

速読に関する能力を鍛え「スピード」の意識向上を図ります

・検索力トレーニング

プロスポーツ選手も取り入れる、検索力、判断力、集中力を鍛えるトレーニング

・短期記憶力トレーニング

広い範囲で絵柄を覚えて、瞬間記憶能力を鍛えるトレーニングです

 

単に早く読めるようになるだけでなく、速読を学力に活かせるようなプログラムは学習塾系の速読のメリットといえるでしょう。

 

 

速読は効果があるの?効果測定について

本当に読書スピードは上がるのでしょうか?そしてどのように効果測定をしているのかも気になるところです。

 

今回取材をしたスクールによると、小学5・6年生の平均読書速度は3ヶ月で約

倍、2年で約10倍になったそうです(日本速脳速読協会調べ 速読生8462名の平均)。

 

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3ヶ月で約3倍、2年で約10倍というデータも

 

読解力などが急激に伸びる年齢ですし、速読トレーニングだけの成果ではないと思いますが、それにしてもわかりやすい成果ではないでしょうか。

 

トレーニングの伸びや学習の成果を確認するシステムがあり、目標を持ちながらトレーニングできるというのが要因でしょう。「速読甲子園」や「速解力検定」などの日頃の成果を発揮できるイベントがあるのもモチベーションになっていると思われます。

 

トレーニングと成功体験に期待

速読が地頭を良くするのか。この疑問に明確に答えてくれる研究結果はありません。しかしあれこれ調べる中で、トレーニングを積み、読む速度があがったという成功体験、読書で得た知識を活用した成功体験は非常に価値があり、親として子に与えてやりたい体験だと感じました。

 

素晴らしい読書の世界へといざなうきっかけ、子供にしてやれることの選択肢の一つとして、速読があってもよいのではないでしょうか。

 

【参考】

All About  17.11.21

https://allabout.co.jp/gm/gc/471942/