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本当はユニクロもやりたかった?ZOZOSUITがアパレル業界にもたらす衝撃

試着はもう必要ありません あなたの身体の15,000箇所を正確に計測します

  袖が長い、パンツが短い 不安な注文、面倒な返品 すべては過去のことです」

 クリスマス商戦の幕開けとなるアメリカ発の"ブラックフライデー"に日本の小売業も加熱する中、アパレル業界に激震が走った。ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」が、身体のサイズを正確に測ることが可能な全身スーツ「ZOZOSUIT」を無料配布すると発表したのだ(送料は200円)。

 出資先であるソフトセンサーメーカー「ストレッチ・センス」(ニュージーランド)と共同開発したZOZOSUITは、内蔵された伸縮型のセンサーにより、サイズ・体型が店舗同様の正確さで計測でき、データはスマートフォンを経由してZOZOTOWNに送られ、商品の購入やプライベートブランドの開発に活用されるのだという。

 

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 アパレル業界の動向に詳しいジャーナリストの最所あさみ氏は「率直にこれは革命だと思った」と話す。これまでのアパレル業界では、既存のSMLに合わない人には買ってもらえないという課題があり、それはスタッフのアドバイスを受けて体にフィットしたウェアを手に入れることが難しい通販でも同様だった。

 10年以上前からこの問題に取り組んできたアシックスが原宿に先月オープンさせた「アシックス原宿フラッグシップ」では、3Dボディスキャナーを使って体の動きまで計算に入れた細やかな採寸をし、身体に完全にフィットしたランニングウェアを作ることができる。また、短時間で足を細く採寸し、ピッタリな靴選びを助けるサービス「STATIC FOOT ID」も実施している。同店の小谷浩氏は「サイジングは消費者にとっても店にとっても大事だ。人間の足型も時代によって変わってきたりするので、蓄積した(採寸)データをもとにアシックスのシューズも進化し続けていく。満足して頂けたお客様は必ずリピーターとして戻ってきて頂けるので、売り上げにもつながっていると思う」と話す。

 最所氏は「これまで洋服は、作り手側が思ったものを作り、店に卸して、それを私たちが買うというモデルだった。それが今、卸や店舗を挟まずに直接届けるというDtoC=Direct to Consumerのモデルが流行っている。男性用シャツのカスタムオーダーのサービスなどはリピーターになる人がすごく多い。ただ、彼らの一番のネックは、お客様のサイズを知るために測りに行ったり、期間限定の店舗を立ち上げて計測したりと、サイズの部分でコストがかかること。それがこのZOZOSUITだと解決できるようになっていく」と指摘する。

 「ZOZOSUITが無料で配布され普及すれば、みんなが使うサイズの規格になり、ZOZOTOWNがそのプラットフォームになっていく可能性がある。前澤社長がおっしゃっていた『人が服に合わせる時代から、服が人に合わせる時代だ』というのが全てを言い表していると思う。究極的にはその人の体型にあった服が届くようになっていく。この流れは二次流通にも関わっていく。例えばメルカリで体型が近い人を検索結果に出すといったことも可能になるかもしれない。本当はユニクロもこういうことがやりたかったのではないか。そこにZOZOTOWNが力技で切り込んできた。すごく大きな投資の決断をされたと思う」。

 元経産官僚の宇佐美典也氏も、2000年代に経済産業省がアパレル業界への企業の参加促進を目指し、約7000人分の身体サイズを計測、民間にデータを開放した取り組みを紹介、「それを民間の、しかも一企業ができる時代になったんだなと思った。いつかそういう日が来るかもしれないと省内で話をしていたが」と感嘆する。

 ZOZOTOWNは、ZOZOSUITに発表に先がけて、プライベートブランドZOZO」の立ち上げを公表。年内に日本国内で、来年春にはアメリカ・ドイツでスタートする予定で、世界で戦っていける品質、価格の"超ベーシックアイテム"の展開を目指すとしていた。ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの前澤友作社長は「圧倒的な速度で世界中に配りまくり、体重計や体温計のように一家に一台の存在にします」「一瞬であなたの体型を採寸できます」「川上から川下まで、ボディデータ利用でファッション産業を新次元に導きます」とTweetしている。

 

 「顧客は身体にただピッタリのものを着たいというだけではなく、大きめなものを着たくなったり、それがトレンドになったりもする。ZOZOが目指すとしている『科学やテクノロジーの力』での『究極のフィット感』とは、ZOZOSUITのデータを通じて"ちょっと大きめだとこういう感じで着られる""ワンサイズ上げるとこうなる"といったものを探すお手伝いするという意味なのではないか」(最所氏)。

 さらに今後のアパレル業界について最所氏は「サイズの不安がなくなってくると、洋服を作る側もリスクが減るので、チャレンジングなアイテムも作っていける。より適度な価格で、より自分らしいファッションを楽しめるようになる世界に変えていってくれるだろう。そして店舗は買うだけの場所でなく、ブランドをイメージしたメニューが楽しめるカフェを併設するなど、世界観を体験する場所、ファッションの相談をしに行くコンシェルジュのような場所になっていくのではないか」と予測した。

 「私はこれをやったのが前澤さんで良かったと思っている。前澤さんはファッションにものすごくリスペクトがある方で、ファッションで世界を平和にするということを真剣におっしゃっている。ただ金儲けのための動機ではなくて、ファッションを起点に世界を良くしたいという思いがある方が、重要なプラットフォームを握るのは良いことだと思う」(最所氏)。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

 

【参考】

BLOGOS  17.11.27

http://blogos.com/article/261480/#top