江戸の昔も値下げ要求は珍しくなかった
江戸の昔も値下げ要求は珍しくなかった。
▼大名家から代金の1割減額を求められ、5分引きにとどめようと交渉したが、結局、押し切られた例もある。それでも顧客とのパイプが細っては大変なので、得意先への付け届けは欠かせなかった。鯛(たい)、長芋、まんじゅうに、扇子や羽織、金子など、多様な品物が記録にみえる。仕事をもらう側の立場の弱さがうかがえる。
▼今の中小企業が発注元から圧力を受ける背景にも、対等とはいえない力関係がある。取引契約を結ぶにあたって不当な値引きを強いられたり、いったん決まった代金の減額を求められたりと、「下請けいじめ」は後を絶たない 。
▼今の中小企業が発注元から圧力を受ける背景にも、
解決策は中小企業自身が、技術力や品質などで一目置かれるようになることも必要。
弱い立場の企業だからこそ、いかに自社の強みをアピールするか、得意先に一目置かれるかと、存在価値を高めてほしいですね。
出典:2017/11/29 日本経済新聞