【通達の曖昧さが招く】完成車の検査
車といえば、一世一代!とまではいかなくてもかなり思い切った大きな買い物です。
私たちが、安心して新車を購入し運転することができるのも、プロ検査官がしっかり安全性を確かめ、保証してくれているからこそですよね。
プロの検査を信用しきっていますが、恐ろしいことが判明しました。
大手であり安心しきっていた日産自動車とSUBARU(スバル)で無資格の従業員が完成検査をしていたから、大変問題です。
【国土交通省】
国土交通省は20日までに、検査の改善に向けて有識者を交えた検討会を設置する方針を固めた。11月中に初会合を開く。自動車メーカーから検査の実情を聞き取り、検査員に求められる資格を、より明確にするための指針を策定することなどを検討する。
的には、完成検査の内容を定めた同省の通達の解釈について指針を設けるかどうかを議論する。
検査の運用実態を調べる国の立ち入り検査の実施方法なども含め、完成検査のあり方を幅広く話し合う見通しだ。
問題のあった2社以外の自動車メーカーからも完成検査の運用について情報を集め、議論に反映させる。
【現状】
自動車はメーカーによって製造方法が異なるため、完成検査に携わる検査員はメーカー側が独自の社内資格制度で認定し、認定の方法などを国交省に届け出ている。
同省は道路運送車両法に基づいてメーカー側に出した通達で、検査の仕方を規定。ただ、検査員については「必要な知識および技能を有する者のうちから、あらかじめ指名された者」を配置するよう「留意する」としており、資格の具体的な要件などは定めていない。
各社の制度は内容のばらつきが大きく、通達の曖昧さが今回の無資格検査を誘発する一因になったとも指摘されていたようです。メーカー独自の特徴があるにしても、一律に安全といえる水準がある方が安心ですよね。
メーカーによって安全性の質にバラつきがあるとしたら、不良品による事故があった場合に、責任の所存はメーカーに向き一気に信用力をなくすような事態も想定されます。
事前に利用者側が安心して新車を購入できるような検査の仕組みを整えてほしいですね。
出典:2017/11/21 日本経済新聞