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三菱マテ系、組織の壁高く不正対応に遅れ、出荷停止まで8ヵ月

 三菱マテリアルグループでもデータ改ざんが明らかになったようです。
そのうちの1社、三菱電線工業では不正把握から出荷停止まで約8カ月かかったとのことです。
三菱マテは事業領域が多岐にわたるなか、子会社管理が徹底できていない実態を露呈したのです。24日に記者会見を開いた三菱マテの竹内章社長は不正の背景について「組織の壁が高くなっている」と語ったそうです。
本業以外の事業にどんどん手を出して財閥化しようとする方針ですが、大手なら大手なほど製品の品質というより最低限の基準を保つことが重要になると言えます。

 三菱電線の品質保証部門が問題を認識したのは2017年2月。同社の村田博昭社長ら経営陣に情報が上がったのは3月初旬だったという。しかし、出荷を停止したのは10月23日。対応の遅さについて問われた村田社長は「設計書が10万点あるなど専門的な素材であり、多人数で対応できないため時間がかかった」と釈明したそうです。
このくらいいいやといった気持ちが及ぼしたものではないでしょうか。10万点の設計書があることは把握していたら、これを点検できる仕組みや内部統制の構築は事業拡大と同時並行で必須なはずですね。

 三菱電線は問題を把握しながら不正な製品を出荷し続けていた。村田社長は「不具合があるかもしれないとは思っていたが、本当にデータが書き換えられたか分からなかった」と語ったそうです。
 10月25日に親会社の三菱マテに情報が上がった後も、対外公表するまで約1カ月間を要し、それまでに取締役会で2回問題が報告されている。竹内社長は「会社としてすべてのお客様が判明した後に公表すべきだと判断した」と述べたようです。
 三菱マテは子会社の三菱アルミニウムで過去に不正があったことも明らかにしている。輸送、電機、建材などに使われているということです。
「既に安全性に関して解決済みの案件」(三菱マテの小野直樹副社長)として具体的な不正の内容については11月24日も公表しなかったようです。
 消費者目線が欠如しているとの指摘が多くあがっている。
 三菱マテは金属、セメント、超硬工具などの加工事業、電子材料の4つの社内カンパニーで構成する。採用段階から退社まで同じ事業部門で働くことが多く、カンパニーごとの人材交流もこれまでほとんどなかったという。
 このため、経営トップがそれぞれの事業や末端の子会社で発生した品質管理などの問題を把握することは難しくなっていた。縦割りの組織が不正の長期化と問題認識の甘さを招いたのは神戸製鋼所と同様だ。
 データの改ざんがあった三菱電線と三菱伸銅はかつて上場企業だったが、10年までに三菱マテリアルが完全子会社化した。「両社ともいまでも独立性が強い」(業界関係者)との声もある。これまで親会社が主導してきたガバナンスや品質管理の強化に問題があったといえる。
 三菱マテによると、今回の不正によって納入先で安全性などが損なわれた事例は現時点で見つかっていないという。しかし、顧客企業の信頼を裏切ったのは事実だ。
 三菱電線のデータ改ざんでは実質的な裏マニュアルがあったとみられている。産業界で一般的な、顧客の許可があれば規格外品でも出荷できる「特別採用(トクサイ)」を悪用。消費者にも不安を抱かせている。
 名門企業である神鋼に続いての不正で、このままでは「日本の素材産業では不正が横行しているのか」と見られかねない事態だそうです。
トップの企業が不正改ざんを行なっているということは、これも氷山の一角。業界全体がそのような傾向にあるとみてしまいますね。
  今の時代だからこそ、品質を保ち消費者との信頼を勝ち取った企業が長期的に残るのではないでしょうか。逆に言えば、今まで原価率やコスト面で苦労はしてきたとしても、誠実にとりくんできた企業にとっては大チャンスと言えるのではないでしょうか。
 今まで見積もりが甘かったという企業はいかに挽回し世の中に素直に現状を認めるか、経営者の誠実性が試されますね。

出典:2017/11/25 日本経済新聞