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神鋼:本社に対する現場の信用は0


 アルミ材料を「ダイス」という金型の穴から押し出して自動車や航空機の部材を製造する長府製造所。
押し出す速度の制御や温度管理など神戸製鋼所の技術の粋が集まった工場です。
自動車の軽量化の動きを受けて空前の増産にわいていたが、その一方でモラルハザードが起きていたのです。
 出来上がったアルミ品は強度、寸法などを計測する検査装置にかけられると、品質データが表示されるそうです。
顧客と契約した内容とわずかな誤差が生じると瞬時に分かる
つまり、基準に満たないものは当然わかり、改善することが可能な状態であったのです。
しかし、製造所の従業員はためらいもなくデータを手入力で改ざんし、ミルシート(検査合格証)を顧客に送付していたというのです。

 「顧客からクレームを受けていないから大丈夫と思っていた」。8月からの社内での聞き取り調査。同製造所の従業員らは次々とこう証言したそうです。

 「不正の原点は2012年10月だったのではないか」とある社員は話す。新日本製鉄住友金属工業が合併し新日鉄住金が発足した時だったのです。
鉄鋼では太刀打ちできない」と考えた会長兼社長の川崎博也(63)は、事業部門を7つにわけ、その結果事業部間の交流はなくなっていった
 製造部門の管理者が品質部門に異動する人事もあり、チェック体制はないがしろにされたそうです。利益目標達成の圧力も高まった。不正を黙認する慣行が現場に横行した。

現場に丸投げ。ないがしろにされてきたにもかかわらず、本社のコンプライアンス部門担当は、「現場の協力がない」ことに怒りをぶちまけたそうです。

自主点検の際に同製造所の一部社員が不正の発覚を免れるため、本社に報告をあげなかったからだ。
10月20日の会見では現場の社員のこの振る舞いを「妨害行為」として切って捨てました。
現場に経営を「丸投げ」してきた本社への現場の不信感は募るのです。

 本社は全ての責任を負って現場に任せるべきで、そこで不利になることがあったら現場に制裁を加えるのでは道理が通りませんね。
 責任を認めた上で、現場の協力を得るという心の持ちようが必要だと思います。





出典:2017/11/29 日本経済新聞