神鋼:本社に対する現場の信用は0
アルミ材料を「ダイス」
出来上がったアルミ品は強度、
つまり、基準に満たないものは当然わかり、改善することが可能な状態であったのです。
しかし、製造所の従業員はためらいもなくデータを手入力で改ざんし、ミルシート(検査合格証)を顧客に送付していたというのです。
「顧客からクレームを受けていないから大丈夫と思っていた」。8月からの社内での聞き取り調査。同製造所の従業員らは次々とこう証言したそうです。
「鉄鋼では太刀打ちできない」と考えた会長兼社長の川崎博也(63)は、事業部門を7つにわけ、その結果事業部間の交流はなくなっていった。
製造部門の管理者が品質部門に異動する人事もあり、チェック体制はないがしろにされたそうです。利益目標達成の圧力も高まった。不正を黙認する慣行が現場に横行した。
現場に丸投げ。ないがしろにされてきたにもかかわらず、本社のコンプライアンス部門担当は、「現場の協力がない」ことに怒りをぶちまけたそうです。
現場に経営を「丸投げ」してきた本社への現場の不信感は募るのです。
本社は全ての責任を負って現場に任せるべきで、そこで不利になることがあったら現場に制裁を加えるのでは道理が通りませんね。
責任を認めた上で、現場の協力を得るという心の持ちようが必要だと思います。
出典:2017/11/29 日本経済新聞