卓球女子日本代表 平野美宇(17歳)
【武器】
「ハリケーン」と名付けられた平野の超攻撃型卓球は世界に衝撃を与えた!
名だたる相手に臆せず、台の近くから高速ラリーで真っ向勝負。左右に回転のかかったボールを打ち分け、揺さぶる。
日本チームには「中国選手への苦手意識を払拭してくれた」(石川)と勇気を。
【ピンチをチャンスに】
これまでは「誰にも負けない」というバックと、フォアからの正確なドライブが持ち味。
安定感がある半面、相手のミス待ちの受け身になりがちで格上には競り負けたそうです。
世界ランキングを上げられず、15年秋のリオ五輪代表選考で落選したことを転機にしました。
東京五輪を見据え、思い切ってプレースタイルを変えたことで新境地を開く。
努力努力! 速くて強いボールが打てるように下半身を強化。
ウエートトレーニングも始め、左右にふられても軸がぶれず、素早く立て直せるようになってきたそうです。 「ためなくても、打点は速い(高い)まま強く打つ。いきなり『どん』って感じ」。ラリーが続くと「手打ち」になりがちだった癖も改善。相手に触らせないノータッチは格段に増えた。
【戦果】 ランキングは自己最高の5位。日本勢トップこそ石川佳純(全農)に譲るが、あどけなさも残る17歳が残したインパクトは群を抜く。五輪、世界選手権と並ぶ卓球界の三大タイトルのワールドカップ(米国)を昨年10月、日本選手として初制覇。
今年1月の全日本選手権では3連覇中の石川を決勝で圧倒し、史上最年少優勝を果たした。 ハイライトは日本勢21年ぶりの優勝となった4月のアジア選手権だ。準々決勝で16年リオデジャネイロ五輪金メダルの丁寧にフルゲームで勝利。準決勝と決勝も当時2位と5位の中国勢を破り優勝をもぎ取った。 6月の世界選手権(ドイツ)でも、中国勢の表彰台独占を切り崩す銅メダル。国際連盟による今年の最優秀選手候補の4人に入り、飛躍の1年を終えようとしている。
【中国が追う存在に】 中国は平野にスタイルを似せた「コピー選手」で対策を進め、試合で得点を奪えば拳を握る。
「前は余裕がある感じだったけど、最近は本気でぶつかってくる」。台の向こうから伝わる気配は明らかに変わった。 追う側から、いつの間にか追われる側へ。世界中からマークされ、国際大会では苦戦も増えたが気持ちはぶれない。
【目標】
「東京五輪で絶対に金メダルを取りたい。『あの人が取って普通』と思われるような選手になりたい」。世界を驚かせただけで満足する気はさらさらない。
出典:日本経済新聞
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