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石油市況から見た景気

出典:2017/11/27 日本経済新聞 

 原油相場が緩やかな回復基調にある。
価格低迷のトンネルは抜けたのか。
国際石油開発帝石の北村俊昭社長に聞いた。
 ――当面の原油需給は。
 「今年から来年にかけて世界経済は好調だ。特に途上国は確実に成長が見込めることもあり、石油需要の伸びは堅調だ。」

中東政情と距離
 ――中東の地政学リスクが増しています。
 「供給過多のときには、市場は地政学的要因に反応しなかった。」

 ――米国でシェールオイルの生産が増えて減産効果を打ち消すのでは。
 「金融面の制約を考えると、生産量は2020年代半ばくらいがピークで、その後も伸び続けるとは考えにくい」
投資低迷を懸念

 ――電気自動車(EV)の台頭が石油需要に与える影響は。
 「EVは伸びても限界があり、石油需要へのインパクトは小さいとの意見がある。しかし、途上国では気候変動より大気汚染が問題になっている。ここに強い政策面での介入の余地があるのではないか。搭載電池など技術の進歩と途上国政府の介入を考えると、EVは石油関係者の見方以上に普及する可能性がある」
 「ただし、途上国の成長が続けば、石油化学やトラックなどの輸送、航空機などの石油需要が伸びる。EVや再生可能エネルギーが増えても、30年くらいまでは全体の石油需要は伸びていく石油と比べると、天然ガスはさらに伸びる。なかでもアジアの液化天然ガス(LNG)が需要の中心になっていく。当社が今年度中にオーストラリアで生産を始めるイクシスLNGは長期にわたる成長を支え、競争力を高めるだろう」
 ――中長期で見た石油や天然ガスの位置付けは。
 「石油はまだ大きな役割を果たす。需要に応える安定した生産能力を確保していかなければならない。過去3年間の世界的な投資の低迷を懸念している。総額の減少に加えて1件あたりの規模もすぐ生産に結びつく小さな投資が増えている。16年に探鉱でみつかった原油の量は過去最低水準だった。これは中長期的な供給リスクを高める」